ジブリ映画『天空の城ラピュタ』
皆さんご存知ですよね。
8月30日の金曜ロードショーで放送されたものを視聴しました。
ラピュタを観るのは久しぶりでしたが、決定的な場面が欠落していて驚きました。
終盤、ムスカは「目がぁぁぁーーー」と叫んだ後、もっとインパクトのある台詞を吐いたはずです。
「見えんっ!何も見えん!!」
誰か、覚えている人いませんか?
子供の頃ラピュタを見て一番印象的だったのがムスカのこの台詞だったのに、一番楽しみにしていたシーンがカットされていてショックを受けました。
放送後も気になってしまい、試しにググってみました。結果、更に大きなショックを受ける事になりました。
そのセリフについて言及している記事が一つも見当たらないのです。
おかしくないですか?
ムスカの名言として話題になっているのは
「目がーーー」
「人がゴミのようだ」
この2つが主で、ムスカの全セリフを掲載しているような記事を閲覧してみても
「見えん、何も見えん」が載っているものは皆無でした。
怪しげな都市伝説まで調べましたが、幻のエンディングが有るとか無いとかいう話ばかりで、件のセリフには全く触れていません。
皆さん本当に知らないのでしょうか?
古い記憶は忘れてしまったのですか?
ムスカのあの名台詞はもう世間から忘れ去られて『無かった事にされている』らしい現実を目の当たりにしました。
どうにも解せません。
確かに存在していたはずなのに、当時の事を覚えている人は居ないのでしょうか。気になります。
もしや自分の記憶の方が間違っているのではないかと、徐々に不安が募りました。
よく思い出してみましょう。
初めてテレビでラピュタを見た時、私は中学生くらいだったと思います。
悪役のムスカについては「失明して死んだ」と認識していました。ずっとそう思っていました。
考えてみてください。
両手で顔を覆い「目がぁぁぁーーー」と叫びながらフラフラと歩いて行ったムスカを見て、「彼は死んだ」と子供が認識するでしょうか?
むしろ、
「ムスカ、目どうしたの?」
「この後ムスカはどうなったの?」
と疑問を抱くのが普通だと思います。
最近の検証記事などを拝読すると、崩れ落ちてゆくラピュタの瓦礫にムスカが混じっているとの指摘が多く、彼は海に落ちて死んだのだという説が濃厚です。
が、当時の私がそんな事を知る由もなく。
では何故、ムスカが死んだと認識できたのか。
それは恐らく、彼の死を連想させるような描写が含まれていたからだと思います。
私の記憶によると、「目がぁぁぁーーー」の後にムスカは
「見えんっ!何も見えん!!」と叫んで錯乱します。
凄いインパクトでした。
これが本当の断末魔だったのです。
本人が「見えん」と叫んでいるのですから、失明した事はすぐに理解できました。
そのまま彼が落ちるか瓦礫に埋もれるか潰されるかして死ぬ所を私は想像し、死を連想したものと考えられます。
YouTubeに投稿されている動画で英語の字幕付きのものがあると、知人が教えてくれました。
「目がー目がー」の時は『My eyes! My eyes!』
その後もう一度「目がーー」と言った時には『I can’t see…』と字幕が出ています。
「見えん」と字幕にはハッキリ書いてありました。
映画公開当初、「見えん、何も見えん」というムスカ最期の台詞はやはり実際に存在したのではないでしょうか。
視覚障がい者への配慮や忖度からか、もしくは別の意図があったのかは不明ですが、かなり早い段階で編集カットされたと推測されます。
現在DVD等で出回っている映像と音声は編集後の物だと思われるので、若い世代の方たちは本当に知らないのでしょう。
大昔に公開当初の作品を観たはずの人達も次第に過去の記憶が薄れてゆき、ムスカの幻の名台詞は時代と共に闇に葬り去られた…
というのが個人的な見解です。
今のところ、あのセリフを知っている人間は私の他にまだ一人しか見つかっていません。
その一人も、確証はないそうです。
真偽が気になります。
もし私の記憶が大嘘だとしたら、この記事はフェイクニュースという事になりますね。
気分は浦島太郎です。
変わってゆく世の中が怖いです。